「春が来たと思ったら、すぐに夏の暑さ」「秋を感じる間もなく冬に」——みなさんは近年そんな感覚を覚えたことはありませんか?気象庁のデータを分析すると、実際に日本の気候は変わりつつあるようです。
東京では過去100年で平均気温が約1.3℃上昇しており、これは世界平均(約1.1℃)を上回るペースです。この温暖化の影響で、春や秋のような中間的な季節が短くなり、夏と冬の期間が長くなる傾向が見られます。
たとえば、夏日(25℃以上)の出現は年々早まる傾向にあり、2024年には3月31日に東京都心で26.1℃を記録しました。1970年代の平均と比べて32日早い到来であり、春の穏やかな陽気を感じる期間が短くなっていると言えます。
また、秋の真夏日(30℃以上)も増加傾向にあります。東京の9月~10月の真夏日は、1970年代の平均が6.8日だったのに対して、2024年には22日と明らかに暑さを感じる日が多くなっていることがわかります。
以下のグラフでは、1970年以降の「9/1~10/31の真夏日の日数」と「初夏日」の推移を表示しています。年によってばらつきはありますが、夏の始まりが早く、秋の暑い日が増加傾向となっていることが見て取れると思います。