モーターを理解する上で欠かせない出力、効率、損失について
モーターは、電化製品から工業設備、自動車に至るまで、私たちの生活に欠かせない部品です。ではモーターの性能を示す“出力”には、様々な前提条件があることをご存じでしょうか?
今回のコラムでは、その中で特に重要な前提である“定格出力”について3回にわけて解説します。
1.モーター出力とは
モーター出力とは、モーターの性能を評価する基本的な指標です。具体的には、トルク(モーター軸をねじる力)×モーター回転数の関係で示される、モーターが出せる機械的エネルギーのことです。式で表すと、こうなります。
モーター出力[W] = トルク[Nm] × モーター回転速度[rad/sec]
(補足: [rad/sec]はrpm(1分当りの回転数)に2π/60を掛けたものです)
2.モーター効率について
同じモーター出力を、電気エネルギーと効率の観点から見ると、モーターへの入力電力(電気的エネルギー)×モーター効率(電力変換効率)となります。式で表すと、このようになります。
モーター出力[W] = モーター入力電力[W] × モーター効率[%]
この式から電気エネルギーを有効に使用する上で、モーター効率がとても重要であることがわかります。