Colummn

電動モーターの種類について

モーター

電動モーターは、電気エネルギーを機械エネルギーに変換する装置です。シンプルに言うと、「電気を流してチカラを取り出す装置」であり、現代の生活には欠かせない存在と言えるでしょう。

電動モーターには様々なタイプがあり、それぞれのモーター特性やアプリケーションによって使い分けられているのはご存じでしょうか。

それでは、本日のテーマである主要な電動モーターの種類とその特徴を解説していきましょう。

1.DCモーター (直流モーター)

DCモーターは、直流電源(バッテリーなど)を使用して駆動するモーターです。特徴として、速度制御が容易で、広い範囲の速度で運転できることが挙げられます。DCモーターにはブラシ付きとブラシレスの2種類があります。ブラシ付きモーターは小型電動工具や家庭用電気製品に多く使用されますが、ブラシの摩耗に伴うメンテナンスが必要です。一方、ブラシレスDCモーターは高効率で信頼性が高く、長寿命であり、電動車両や高精度な制御が求められる機器に広く用いられています。

DCmotor

2.ACモーター (交流モーター)

ACモーターは、交流電力を利用して駆動します。ACモーターは、一般的に誘導モーターと同期モーターの2種類に分けられます。

誘導モーター(インダクションモーター): 誘導モーターは、世の中で最も広く使用されている種類のモーターです。構造が比較的シンプルで、高い信頼性とメンテナンスフリーであることが大きな特徴です。また非同期モーターとも呼ばれ、永久磁石式同期モーターで発生するいわゆる逆起電力が発生しないため、高回転でも使用しやすいというメリットもあります。現在では、産業用機械、産業車両、ゴルフカート、LSV(低速EV)、UTV、電気自動車(EV)、鉄道、ポンプ、ファンなど多くのアプリケーションに使用されています。

同期モーター: 同期モーターは、回転速度が交流電源の周波数と同期して制御されます。高精度な速度制御が求められる用途に適しており、主に発電機や特殊な産業機器、一部産業車両にも使用されています。また電気自動車(EV)の走行用モーターとしても多く使用されています。

toyota-super-drive-ph-02

3.ステッピングモーター

ステッピングモーターは、入力されたデジタル信号に応じて一定の角度でステップ動作を行うモーターです。高精度な位置制御が特徴で、プリンター、CNC機械のようなオートメーション機器で多く使用されています。

column2-3

4.サーボモーター

サーボモーターは、フィードバック制御を用いて精密な速度および位置制御を行うモーターです。高い精度と応答性が要求されるロボットアームや産業用機械、航空宇宙分野などで使用されています。

 

このように電動モーターには様々なタイプがあり、その特性を理解して、アプリケーションに最適な種類のモーターを選ぶことが重要です。用途やニーズに適切なモーターを選定することで、システムの性能を大きく向上させるだけでなく、システムコスト削減にも寄与することが可能になります。

当社のToyota Super Drive ACモーターは、モーターの分類上は誘導モーターに該当し、フォークリフトに要求される高い信頼性・耐久性を実現しています。またそれだけでなく、一般的な誘導モーターでは大変難しいといわれる低回転域から高回転域までの幅広い領域で高いモーター効率を実現した、走行用途に最適と言えるモーターです。